オーディションんで後悔したこと

どこでも教えることができるというのなら欲しい。
俳優目指してはや5年。
劇団には入ったものの下積みばかりの毎日、たまに新しい劇の情報も知らされるが殆ど客が集まらないだの舞台が完成しないだので公演中止となったり本当にたまにやる劇に俺はエキストラさえやらせてくれないのだ。
なのに妥協でここにとどまっている。
そう仲良くなってしまったのだ。稽古の練習生らと。
さらには将来を約束したも同然のかわいい子までいる。
そもそも街中を歩いていたのが始まりだった。スカウトされたのだ、俺は。
そこのあなたがたいいいわねとちょうど俳優で食っていこうと決めてた時だった。
運命にしか思えなかった。しかしそこからは悲惨だった。
なぜだかしらんが俳優志望にもかかわらずスタッフのようなことばかりやらされた。そう理解したのだ。
俺は演技つまり中身ではなく見た目で選ばれたのだと。
しかもスタッフとして、なんでこんなことをさせるのかと1年目で部長に話した。
向こうは俺が俳優志望だと知らなかったらしい。
とても驚いていた。俺がしたいよそれ。
そしてそれからはなんとか俳優の仕事に就けるかと思った。
しかし違った。
部長は愛人をつくり部員は皆恋愛に夢中。おれはまた知った。ここはただの恋愛をたのしむ場だと。
劇団は名ばかりで本当は馴れ合いの場だと。悔しかった。
俺はただこの馴れ合いどもの執事だったのだ。しかしここの練習生はまだ誰もそのことを知らない。
みんなまじめである。俺は先がもう見えなくなってる。
ちゃんと劇団について調べておくべきだった、後悔してる。